(92)【記述問題パターン別ドリル/解答】まとめ問題(3) 栄光2016 大問1より
いつも拙ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
では、前回の問題の解答・解説です。
問題は以下の通りでした。
【記述問題パターン別ドリル】まとめ問題(3) 栄光2016 大問1より
次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
児島湾を住み場所としているウナギとアナゴでは、行動時間だけでなく、エサの種類も共通していた。やはり、彼らは児島湾の中で、食べ物をめぐって互いに競争しているのだろうか。
同じエサを食べる動物どうしが同じ場所に住んでいると、エサをめぐって競争になることが多い。競争では、競争相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーは減ってしまう。つまり、生物にとって、競争は基本的に損なのだ。多くの場合、生物は競争をしないですむように、バランスをとっている。たとえば、住む場所、行動時間、食べ物などを、異なる種類の生き物と、少しだけ生きかたをずらすことによって、競争を避(さ)ける。ウナギとアナゴも、競争ばかりしていたら、エネルギーのむだづかいだ。彼らは、本当に競争しているのだろうか。
【問】傍線部「エネルギーのむだづかいだ」とありますが、どういう点が「むだづかいだ」と言えるのですか。60字~70字で説明しなさい。
「まとめ問題」です。
「まとめ問題」の書き方は『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』
のp.48以降を見直してください。
(68)の記事でも「まとめ問題」の書き方の説明をしていますから、参考にしてみてください。
【解説】「エネルギーをむだに使っている点」についてまとめる〈まとめ問題〉ですから、「エネルギーをむだに使っている点」を本文から探していきましょう。
つまり、生物にとって、競争は基本的に損なのだ。
まず、本文のこの一文に注目してみます。「損」というのは「むだ」ということですね。つまり筆者は、「競争は基本的にむだだ」と言っているわけです。では、どんな点がむだなのでしょう。
ここで「つまり」という接続語に着目して考えてみます。「つまり」は、前の文の内容を後ろの文で「まとめ」または「言いかえ」の働きをする接続語です。算数でいえば、前後の文を「=(イコール)の関係」で結ぶ働きですね。ですからここでは、「生物にとって、競争は基本的に損(=むだ)なのだ」という文章は、「つまり」の前の文と「=(イコール)の関係」になっているはずだと考えられます。つまり、
競争では、競争相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーは減ってしまう。
=
生物にとって、競争は基本的に損なのだ。
と読めるわけですね。
したがって、設問で訊かれている「エネルギーをむだに使っている点」とは、本文の言葉を使うと、「競争相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーが減ってしまう点」と言えるでしょう。
ここまでくれば、あとは「わかりやすい解答」に整えるだけです。
ややわかりにくい部分があるとすれば、「競争」という言葉でしょうか。ここでの「競争」とは何を指すのでしょう。このままではよくわかりませんので、本文を探してみると、
同じエサを食べる動物どうしが同じ場所に住んでいると、エサをめぐって競争になることが多い。
とありますから、ああなるほど、「競争」=「エサをめぐる競争」なんだなとわかります。
【解答例】エサをめぐる競争で、相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーが減ってしまう点。(67字)
いかがでしたか?
接続語「つまり」に着目して、「損」=「むだ」な点を見つけることが大切な問題でした。
ここまで「まとめ問題」も3題やってきましたので、次は「気持ち問題」を予定しています。
お楽しみに!
*現在、家庭教師(対象:小5、小6)の指導を承っております。
家庭教師を希望される方は、件名を「家庭教師希望」として、下記メールより、「氏名(保護者様および生徒様)」「生徒様の学年」「電話番号」「ご自宅の最寄り駅」を明記の上、お申込みください。1回~数回のみのお申し込みも可能です。
wakasugitomoya☆yahoo.ne.jp
(☆は@に変換してください)
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問題は以下の通りでした。
【記述問題パターン別ドリル】まとめ問題(3) 栄光2016 大問1より
次の文章を読んで後の問いに答えなさい。
児島湾を住み場所としているウナギとアナゴでは、行動時間だけでなく、エサの種類も共通していた。やはり、彼らは児島湾の中で、食べ物をめぐって互いに競争しているのだろうか。
同じエサを食べる動物どうしが同じ場所に住んでいると、エサをめぐって競争になることが多い。競争では、競争相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーは減ってしまう。つまり、生物にとって、競争は基本的に損なのだ。多くの場合、生物は競争をしないですむように、バランスをとっている。たとえば、住む場所、行動時間、食べ物などを、異なる種類の生き物と、少しだけ生きかたをずらすことによって、競争を避(さ)ける。ウナギとアナゴも、競争ばかりしていたら、エネルギーのむだづかいだ。彼らは、本当に競争しているのだろうか。
【問】傍線部「エネルギーのむだづかいだ」とありますが、どういう点が「むだづかいだ」と言えるのですか。60字~70字で説明しなさい。
「まとめ問題」です。
「まとめ問題」の書き方は『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』
(68)の記事でも「まとめ問題」の書き方の説明をしていますから、参考にしてみてください。
【解説】「エネルギーをむだに使っている点」についてまとめる〈まとめ問題〉ですから、「エネルギーをむだに使っている点」を本文から探していきましょう。
つまり、生物にとって、競争は基本的に損なのだ。
まず、本文のこの一文に注目してみます。「損」というのは「むだ」ということですね。つまり筆者は、「競争は基本的にむだだ」と言っているわけです。では、どんな点がむだなのでしょう。
ここで「つまり」という接続語に着目して考えてみます。「つまり」は、前の文の内容を後ろの文で「まとめ」または「言いかえ」の働きをする接続語です。算数でいえば、前後の文を「=(イコール)の関係」で結ぶ働きですね。ですからここでは、「生物にとって、競争は基本的に損(=むだ)なのだ」という文章は、「つまり」の前の文と「=(イコール)の関係」になっているはずだと考えられます。つまり、
競争では、競争相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーは減ってしまう。
=
生物にとって、競争は基本的に損なのだ。
と読めるわけですね。
したがって、設問で訊かれている「エネルギーをむだに使っている点」とは、本文の言葉を使うと、「競争相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーが減ってしまう点」と言えるでしょう。
ここまでくれば、あとは「わかりやすい解答」に整えるだけです。
ややわかりにくい部分があるとすれば、「競争」という言葉でしょうか。ここでの「競争」とは何を指すのでしょう。このままではよくわかりませんので、本文を探してみると、
同じエサを食べる動物どうしが同じ場所に住んでいると、エサをめぐって競争になることが多い。
とありますから、ああなるほど、「競争」=「エサをめぐる競争」なんだなとわかります。
【解答例】エサをめぐる競争で、相手に勝つためにエネルギーを使うので、その分自分が成長したり、子孫を残したりするためのエネルギーが減ってしまう点。(67字)
いかがでしたか?
接続語「つまり」に着目して、「損」=「むだ」な点を見つけることが大切な問題でした。
ここまで「まとめ問題」も3題やってきましたので、次は「気持ち問題」を予定しています。
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