FC2ブログ

(90)【記述問題パターン別ドリル/解答】まとめ問題(2) 芝2016 大問3より

では前回の問題の解答・解説です。

問題文は以下の通りとなります。



【記述問題パターン別ドリル】まとめ問題(2) 芝2016 大問3より

次の文章を読んで後の問いに答えなさい。


 サクラは、夏にツボミをつくります。しかし、秋に花を咲かせないために、越冬(えっとう)芽(が)をつくり、その中にツボミを包み込みます。もし秋に花を咲かせると、冬の寒さがくるまでに子孫(タネ)をつくり終えないためです。
 ほんとうにそうなら、サクラは、秋の間に、「冬がもうすぐやってくる」ということを知っていることになります。「ほんとうに、秋の間に、サクラは冬が訪(おとず)れることを知っているのか」という疑問が浮かびます。
 越冬芽は冬の寒さをしのぐためのものですから、冬の寒さが訪れる前につくらねばなりません。気温が低くなり、寒くなってから急いで越冬芽をつくることができるほど、サクラの反応は鋭敏(えいびん)ではありません。
 そのため、サクラは、冬の寒さが訪れることを寒くなる前に知る能力を持っていなければなりません。「ほんとうに、秋の間に、サクラは冬が訪れることを知っているのか」という疑問に対する答えは、「知っている」です。では、どのようにして、サクラは冬の寒さが訪れることを、寒くなる前の秋に知ることができるのでしょうか。
 その答えは、「葉っぱが、夜の長さをはかるから」です。夜の長さは、夏から秋にだんだんと長くなり、かなり大きく変化します。このことは、夕方七時ごろでもまだ明るい夏に比べ、五時ごろには暗くなる秋を思い浮かべると、理解できます。
 でも、ほんとうに、葉っぱが夜の長さをはかれば、冬の寒さの訪れを前もって知ることができるのでしょうか。この疑問に対する答えは、「できる」です。夜の長さは、六月下旬(げじゅん)の夏至(げし)の日を過ぎて、だんだんと長くなりはじめます。そして、夜の長さがもっとも冬らしく長くなるのは冬至の日です。この日は、一二月の下旬です。
 それに対し、冬の寒さがもっともきびしいのは二月ごろです。夜の長さの変化は、冬の訪れより、約二ヵ月先行しているのです。ですから、葉っぱが夜の長さをはかっていれば、冬の寒さの訪れを約二ヵ月先取りして知ることができるのです。
 だんだんと長くなる夜を感じるのは「葉っぱ」です。ところが、越冬芽がつくられるのは「芽」です。とすれば、「葉っぱ」が長くなる夜を感じて、「冬の訪れを予知した」という知らせは、「芽」に送られねばなりません。「どのようにして、葉っぱから芽に、その知らせは送られるのか」という疑問が浮かびます。

【問】傍線部「サクラは冬の寒さが訪れることを、寒くなる前の秋に知る」とありますが、そのために行われているのはどのようなことですか。それを15字以上25字以内で説明しなさい。





「まとめ問題」の書き方は、『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』のp.48以降を見直してください。

(68)の記事でも「まとめ問題」の書き方の説明をしていますから、参考にしてみてください。

では、以下が解説です。

【解説】「冬の寒さが訪れることを、寒くなる前の秋に知るために行われていること」とはどのようなことか、それをまとめる〈まとめ問題〉です。〈まとめ問題〉とはいっても、この問題の場合、複数のまとめ要素はありません。
本文を見てみると、傍線部の直後に、


その答えは、「葉っぱが、夜の長さをはかるから」です。


とありますから、太字の部分をもとに、解答は、

〈葉っぱが、夜の長さをはかること。〉(16字)

とすればよいように思えます。


・・・しかし、今回は、「本当にこれでいいのだろうか?」ということを考えてみたいと思います。

「葉っぱが、夜の長さをはかる」とありますが、葉っぱが「夜の長さをはかる」というのは、よく考えてみれば「比喩表現」ではありませんか?
葉っぱが実際に「夜の長さをはかる」わけではありませんから。
とすると、〈解答のルール② 指示語・比喩・わかりにくい表現は言いかえる〉『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』p.19参照)より、葉っぱが「夜の長さをはかる」とはどういうことかを、比喩を使わない別の言葉で言いかえなければなりません。

では、「夜の長さをはかる」とはどういうことなのでしょう。
それを言いかえた別の表現を探しながら再び読んでいくと、本文の後ろの方にこんなことが書いてあります。太字部分に注目してみてください。


だんだんと長くなる夜を感じるのは「葉っぱ」です。ところが、越冬芽がつくられるのは「芽」です。とすれば、「葉っぱ」が長くなる夜を感じて、「冬の訪れを予知した」という知らせは、「芽」に送られねばなりません。


つまり、この部分から、

夜の長さをはかる
  ↓
(だんだんと)長くなる夜を感じる


と言いかえることができるとわかります。したがって、解答は次のようになります。

【解答例】葉っぱが、だんだんと長くなる夜を感じること。(22字)



いかがでしたか?
複雑な問題ではありませんが、〈解答のルール② 指示語・比喩・わかりにくい表現は言いかえる〉をしっかり意識して解答をつくるということの大切さを確認するために本題を扱ってみました。
ではまた!次回の問題をお楽しみに!



*現在、家庭教師(対象:小5、小6)の指導を承っております。
家庭教師を希望される方は、件名を「家庭教師希望」として、下記メールより、「氏名(保護者様および生徒様)」「生徒様の学年」「電話番号」「ご自宅の最寄り駅」を明記の上、お申込みください。1回~数回のみのお申し込みも可能です。
wakasugitomoya☆yahoo.ne.jp
(☆は@に変換してください)
「家庭教師のご案内」のメールを、原則として24時間以内に返信いたします。





にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(指導・勉強法)へ
にほんブログ村
↑クリックして、応援していただけると励みになります。よろしくお願いします!
スポンサーサイト



若杉国語塾 記述問題対策に特化した中学受験国語専門塾

『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』の著者・若杉朋哉が直接指導する 中学受験国語専門塾。 オンラインによる個別指導で、開成、桜蔭、麻布、駒東、武蔵、栄光、芝など…記述問題対策に特化した授業を行います。
プロフィール

tomoyawakasugi

Author:tomoyawakasugi
若杉朋哉(わかすぎともや)
埼玉県さいたま市在住。
塾講師歴17年目。
記述問題対策に特化した中学受験国語専門塾「若杉国語塾」代表。
著書『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』
著書『中学受験国語 記述問題の徹底攻略 基礎演習編』
著書『中学受験国語 選択肢問題の徹底攻略』
著書『すごくわかりやすい 規則性の問題の徹底攻略』
趣味は俳句です。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
検索フォーム
QRコード
QR
天気予報

-天気予報コム- -FC2-